動物愛護法に興味を持っている方々に、今、やってほしいことは、とにかく議員に情報を伝えること。なにが問題なのか、それをどうすべきなのか、中央環境審議会ではどんな議論が行われ、どう結論づけられたのか。
情報を伝えるためには、それなりに勉強していただかなければならない。
たとえば、幼齢動物を親から引き離す時期について、昨年末の中央環境審議会 動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会の動物愛護管理のあり方検討報告書では、「具体的日齢については、ペット事業者の団体が目指している45日齢、科学的根拠(ペンシルバニア大学のジェームズ・サーペル博士の行った実験結果)のある7週齢(49日齢)、海外に規制事例のある8週齢(56日齢)に意見が分かれている」と書かれている。
科学的根拠は7週齢なのに、なぜ8週齢でなければならないのかと尋ねられたら、きちんとその理由を伝えるべきで、罵倒するようなメールを後から送りつけても、その議員の考え方を変えることにはならない。
BSEの関係で牛の月齢が問題になったが、牛の特定の月齢を確認する方法はある。では、犬の週齢をどうやって確認するのかと尋ねられた時に、そんな質問をするなんてあなたは法改正をやる気がない、と決めつけてみても、問題解決にはつながらない。犬の週齢の確認の方法を調べて伝えればいいだけだ。
この法改正では、まず最優先で、動物取扱業の登録取り消しや登録拒否のための条項の追加、動物虐待罪の構成要件の明確化等々、中央環境審議会の小委員会が明確に報告書にとりまとめたことを、改正案に盛り込まなければならない。
これらを確実に盛り込んだ上で、さらに意見が割れていることを議論して、合意に積み重ねていくべきであって、たとえば、「他のことがいくら盛り込まれても、動物実験についてこれこれが盛り込まれなければ法改正してもまったく意味がない」、などというブリーフィングは、この議論にあまりプラスにはならない。
ある代議士によると、中央環境審議会報告書は23項目について、意見が分かれているそうだ。もちろん、それらが全て合意されて盛り込まれればベストだが、その中のこの項目がダメならば、法改正そのものを否定するというのは正しいやり方ではない。
動物愛護法を最初に改正した時、動物実験をめぐってずいぶんと意見が割れた。しかし、法改正を目指すグループが大同団結して、動物実験の規制をあきらめても、まず、虐待を取り上げて法改正に盛り込むことが最優先だというコンセンサスを作り上げた。そして、党の会議でどんな質問が出ても、きちんと調べ上げてそれに対する答えをくれた。
今日に至るまで、私は、あれが国会議員とNGOの共同作業のお手本だと思っている。
今回の法改正は、まだ、スタートラインに着くところに至っていない。しかし、なんとなく足並みの乱れとエキセントリックな発言が目につくような気がしている。
議員立法は、三十人三十一脚のようなもので、一人ではゴールにたどり着けない。
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